伊勢神宮の内宮より古い近江最古の神社 〜 白鬚神社 〜
滋賀県の観光パンフレットの表紙を飾ることが多く、すっかり滋賀県の映えスポットとなった白鬚神社の創建は垂仁天皇二五年(紀元前五年)とされ、伊勢神宮内宮の垂仁天皇二六年より一年古く、近江最古の神社とされています。
この鵜川のシラヒゲ神社は、顎ヒゲのヒゲの字を使って「白鬚神社」と記されますが、この他に日本全国には三百弱のシラヒゲ神社があります。これらのシラヒゲ神社はクチヒゲの髭を使い「白髭神社」と記され、それらの総大社が鵜川の白鬚神社となっています。インターネットなどでは、鵜川の「白鬚神社」を「白髭神社」と誤表記されていることが多い様ですが、地元の誇りである神社なので表記は間違えないようにしたいものです。
その白鬚神社の御祭神は猿田彦命(さるたひこのみこと)で、そのお姿は白髪で白い鬚を蓄えた老人のお姿で、社名の由来にもなっている長寿の神様です。ところで、白鬚神社というと湖中大鳥居が有名ですが、これは往古、神社前の湖中に鳥居があったという伝説や絵画が残っていることから、昭和十二年に大阪の薬問屋 小西久兵衛氏が寄進されたもので、その後 琵琶湖総合開発で見栄えが悪くなったことから昭和五六年に移転新築された第二世代のものが現在われわれが目にしている鳥居です。
湖中大鳥居は、琵琶湖を、いや滋賀県を代表する景観になっていることから高島市の財産として末永く守っていきたいものです。
(2022.11)
注:白鬚神社の背後の一段上がった場所には、紫式部が長徳二年(996)に越前に向かう途中、近くの琵琶湖上で詠んだ歌の歌碑があります。