大化けしていたかもしれない高島地域 ~ 大溝ルーツの小野組
1ヶ月少し前の話になりますが、十月十七日に放映されたNHK大河ドラマ「晴天を衝け」で、主人公の渋沢栄一が三井組と小野組に対して合同で国立銀行を設立するように詰め寄るシーンが放映されました。
この小野組というのは江戸時代の寛文2年(1662)頃に大溝の地から盛岡(岩手県)に出て成功した高島商人(近江商人)の小野権兵衛主元がルーツであることをご存知でしょうか?
明治のはじめに国立銀行創設に関わる程に力をつけた小野組でしたが、銀行創設直後にマネジメント上の問題からビジネスの第一線から退くことになりました。しかし、近代日本の誕生時に活躍した小野組が高島地域から出ていたということは我々とって大変誇らしいことですね。
残念ながら小野組は破綻してしまいましたが、今も岩手県では小野組の系列を引く企業が多く活躍されています。もし、小野組が今もビジネスの第一線で活躍していれば、我々の暮らす高島地域は大発展を遂げていたかもしれません。
なお、現在は更地になっていますが、小野権兵衛主元が出た小野家総本家の宅地跡は大溝の下田食料品店さんの裏手にあり、説明看板が建てられています。
(2021.11)
注:小野組の歴史秘話については、勝野出身の久保田暁一先生が「異色の近江商人 小野組物語」(かもがわ出版)として小説化されており、高島図書室で借りることができます。